こばとの海は、有明海。こばとが海を思い描く時、それは有明海に始まります。
小学生の時に、近所のご家族が潮干狩りに行くというので一緒に連れて行って頂いた時の海。
網に買いを集めることよりも、砂浜を駆け回っている丸いかにが面白くて、買い取りではなくてわたしのお土産はかにでした。食べられない干潟に暮らしているシオマネキ。
想い出に深く残っているもう一度の海も、宇土からの有明海。わたしは週末にひとり電車に揺られて通った。
駅から斜面を登っていったところにある家。庭からは広く海が展望できました。そこで過ごした数時間。
子供が産める身体に育ったこばとは、同級生の中で最も早く命を授かりました。数週間で胸がきつくなることが気に掛かっていたけれども、その頃の写真を振り返ると中学生としては最も不思議な身体のバランスをしています。
風は南風が好きよ、素敵な人の足音が聴こえる。
雨はこぬか雨が好きよ、傘などささず街中を歩くの。
そうよ、たわいもない出来事が、わたしにはとても良いひととき。
空は秋の色が好きよ、愛する人の口笛が聴こえる。
夢は甘い夢が好きよ、ひとりで歩く幸せが漂う。
そうよ、たわいもない出来事が、わたしにはとても良いひととき。