2011年12月28日水曜日

楽器にも名前を残したワーグナー。金管楽器の中で最も大きいワーグナー・チューバがそれで、ワーグナーよりも前の時代の作曲家であるベルリオーズの管弦楽曲でも、現在では使われているという不思議に出会う。

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重低音と言えばパイプオルガンだけど、オルガンを備えたオペラ劇場はあるのか無いのか。重低音が出ていることでオーディオファイルが好きな録音に指折る、ショルティが録音した《ラインの黄金》は冒頭の重低音は実際は楽器の音ではなかったりします。

深い、深い海の底から振動が伝わってくる効果はバイロイト祝祭劇場ではコントラバスとチェロの総奏でも充分に感動的だ。録音では弦楽器だけでは反響の効果を楽しめないので電気的に低音を加えて、あの重々しさを出しています。

オペラ劇場で電子楽器を使うようになったのは、最近のことだからワーグナーは大きなチューバを楽器職人に求めた。

歌劇場はそれぞれに得意とする演目がより効果が出るように工夫しているものです。ドロットニングホルム宮廷劇場は、雷の効果を出すために南側に面した壁に光取りの窓がある。暗いステージに窓からサーッと光が射すのに音楽を合わせるのです。バイエルンの劇場には激しい雨、風の効果音を出すウインドマシーンがある。

又、それぞれに個性的な楽器があってウィーン・フィルのナチュラルホルンは良く知られていますね。バイロイト音楽祭にも唯一の存在の楽器があって、それが歌劇《ローエングリーン》で聴くことができます。

それは第1幕で、伝令が吹くトランペットです。これは、金属製ではなく木製のトランペットだからひなびた中世の幻想劇にぴったり。

NHK-FMの《バイロイト音楽祭》、今夜9時からの放送が歌劇《ローエングリーン》です。

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