2009年11月11日水曜日




 こんばんはこばとです。まず初めに、11月11日と一番が並ぶ今日に @mayumiura さんが Twitter をはじめて 888 日目になることにおめでとうございます。




 さて曲名の希望でも、作曲家の特集でもない。でもこれってどうかというと、とっても価値のある課題です。三浦真弓さんの言いたい音楽はクラシック音楽に限ってのことではないかも知れませんけれども、クラシック音楽は作曲家もとても楽しんで書いたようなものもあるし、演奏が楽しいものもあります。
 残念なことに、素知らぬふりをしているクラシック音楽の勧めが少なくありません。話題には聴いたことはあるけどどういうものか知らないリスナーもいると思います。
 これは結構面白いぞっと、こばとは楽しいのですけど音源がそれなりにバランス良く揃うかなあってやる前から逃げ腰。それではいけませんね。
 手間取るかも知れませんけど舞ってて下さい。

 今夜は同じ時に、 @y_endo さんから「シャコンヌ聴きたい」と頂いたので「シャコンヌの60分」です。







 シャコンヌの魅力はいったい何処にあるのでしょう。
 シャコンヌは、パッザカリヤとも言われる音楽の様式です。同じ旋律を1つの楽器がひたすらに繰り返す。カノンやフーガはこれが発展して高度に複雑になっていったもの。旋律を逆行や反行で交錯させられると、違う副旋律があるような聴こえ方がします。変奏曲は気持ちの移動をシャコンヌから移し替えたような音楽のスタイル。
 バッハのシャコンヌが極めつきかも知れないのは、耳なじみがあるというかバロック音楽が生まれた頃からあるラ・フォリャというスタイルと、イザイのバラードとの秤の支点にあるからかも知れません。




  1. Sigiswald Kuijken - Bach : Chaconne Bwv 1004 5:40/5:34 11:14
  2. Annie Fischer - Haendel : Chaconne in C Major 6:48 18:02
  3. Zino Francescatti - Vitali : Chaconne in G Minor 9:53 27:54
  4. Marais : Chaconne for Solo Viola Da Gamba 6:43 34:37
  5. Izhak Perlman - Kreisler : Prelude and Allegro 5:30 40:07
  6. Ivry Gitlis - Saint Saens : Rondo Capriccioso 8:30 48:37
  7. Gidon Kremer - Ysaye : Sonata No.4 in E Minor 1.Allemanda 5:25 54:02
  8. Joshua Bell - Rachmaninoff : Vocalise 5:52 60:54

1)最初はバッハのシャコンヌ。作曲された350年ほど前のバロック・ヴァイオリンでクイケンの演奏。続いてバッハと同じ時代をイギリスで生きたヘンデルのシャコンヌ。2)ヘンデルは劇場に貴族の足を運ばせることで国王の覚えを良くしておこうと一生懸命でしたので、バッハのひたすら神に捧げますっと言うスタイルよりも平明、明るい音楽です。
アニー・フィッシャーはSP盤の時代のピアニストの録音ですので、シュラック特有のノイズが聴こえるのが心地いい。
3)ヴィターリを演奏しているジノ・フランチェスカッティは、美しい響かせ方の出来るヴァイオリニストの1人。シャコンヌの最後は、バッハの一時代前の宮廷音楽家、4)マラン・マレのシャコンヌ。ヴィオラ・ダ・ガンバというヴァイオリン族の祖先で、ギターのように脇に抱えて演奏している肖像が伝わっています。指で弾くのか、弓を使うのか、本当の演奏方法はハッキリしていません。ま、演奏の仕方など自由な時代です。


後半は時代を下って、20世紀のヴァイオリニストで作曲家の5)クライスラー。有名なヴァイオリニストで、茶目っ気たっぷり。古いバロック音楽のスタイルを借りた曲を書いては、過去の有名な作曲家の楽譜を発見したとセンセーショナルなことを良くやっています。


古い音楽に精通していないとおいそれとそのようなまねは出来ません。当時のクラシック音楽の演奏家は、作曲も出来ることは当たり前でした。クレンペラーもフルトヴェングラーも作曲をして自ら録音も残していますね。クライスラーは名手の中の名手と称賛されていたので、これ以上の称賛は無用と自らの名前は伏せたのです。まねをした曲ばかりではなく、クライスラーならではの作品もありますよ。演奏しているパールマンは現代の美音のヴァイオリニストでしたが、難病の為に年に一度でも演奏する姿に接することが出来ればとても幸せになります。


美音を聞かせるヴァイオリニストと、超絶技巧で聴かせるヴァイオリニストはどちらも神業と等しいもの、イブリー・ギトリスは『魔弓』の異名があります。1970年前後に発売されたレコードは10万円、20万円というレベルで評価されています。6)サン=サーンスは、組曲『動物の謝肉祭』でそれまでの作曲家のメロディーをパロディーにして、唯一の自らの作曲した『白鳥』を中心に耀かせています。サン=サーンスは20世紀初頭の西欧音楽会の最も中心的存在でした。作曲家としても、権力者としてもです。


7)イザイはバッハの音楽を現在のヴァイオリニストの技量にあわせた無伴奏ソナタ集を作曲しました。300年ぶりのヴァージョン・アップと言い替えても良いでしょう。ギドン・クレメルは現代のヴァイオリンの最高の演奏家でしょう。東側から西側に活動を移す時には何かと騒動を起こしています。騒動と言えば、最後のジョシュア・ベルの所有しているヴァイオリン。演奏家の魂を虜にすると魔法めいた真っ赤なヴァイオリンです。
映画『レッド・ヴァイオリン』で描かれているように、ヴァイオリン製作者は本当に奥さんの地で松ヤニを溶いたのでしょうかね。
曲名の『ヴォカリーズ』とは歌でない歌(?)というもの。ヴァイオリンの音色と言うより女声のようです。8)ラフマニノフの音楽はどれもかどの丸い色気が感じられますね。彼がピアニストとして以上に、作曲家として認識して貰うには映画の音楽に使われるものでなくてはならなかったからです。自由なようで、第二次世界大戦を挟んでアメリカに活動の場を求めたヨーロッパの音楽家はいろいろと米音楽界からの求めが負担になったんではないかしら。

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