1時間の音楽プログラムでジャンルを分け隔て無く楽しんで頂けるのが嬉しい。それが、こばとからのお願いです。癒しのひとときお届けします。
フルトヴェングラーが、ベルリンの音楽監督の地位を追われることになってまでも応援した作曲家が居た。「音楽が存在する限り、長三和音から出発し、再び戻る」と説いた作曲の手引きを書いている生粋のドイツ人作曲家だったパウル・ヒンデミット、11月16日はその作曲指導を実践するが如く、バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスといった弦楽器。フルート、オーボエ、イングリッシュ・ホルン、クラリネット、ファゴット、アルト・サクソフォンなどの木管楽器。ホルン、トランペット、トロンボーン、チューバなどの金管楽器。つまり、オーケストラに含まれる楽器のすべてといっていい独奏楽器の為のソナタを作曲しているヒンデミットの誕生日です。
ヒンデミットの誕生日だから、今日はヒンデミットのソナタを練習すると日付の変わった頃にTwitterに書き込まれたツイートは、夕方になった今では「帰宅したら僕も」と反響が続いています。
みんなそれぞれ練習楽器は違うのだろうけど、同じオーケストラの楽員が全員、今日はヒンデミットの練習をしているかもしれない。と、想像しただけで愉快だ。
パウル・ヒンデミット、名前も容姿も生粋のドイツ人らしい。当初はナチスの粛清の対象とならなかったが、ヒンデミットはナチスへの非難を隠そうとせず、1934年には作品の上演が禁じられた。これに意義抗議文を新聞に投稿してフルトヴェングラーも粛清されることになったのだけど、ヒンデミットはさっさとアメリカに渡ってしまった。二度とドイツに戻ろうとしなかったそうだけど、心中はどうだったのでしょう。応援してくれた仲間をほっぽり出して一人アメリカ人になった形だ。しかし、いかにもドイツ人らしい容姿のために戦時中のアメリカでの生活は苦労もあったのでは無いでしょうか。
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